墓じまい・お墓の引っ越しをして、東京の納骨堂へ改葬することはできますか?

墓じまい・お墓の引っ越しをして、東京の納骨堂へ改葬することはできますか?

専門家が答える納骨堂Q&A
井上 英樹
株式会社はせがわ 池袋営業所 所長
井上 英樹

お仏壇のはせがわ店舗での販売・外商経験を経て、数店舗の店長を歴任。 その後、大手互助会との提携推進、葬祭部門立上げ、某百貨店の葬祭サービス立上げなど葬祭カウンセラーとして、幅広く活躍。現在は屋内墓苑の販売を担当。

改葬には手順と段取りがあります。まずは改葬先(新しく納骨する東京の納骨堂)を決めることから始めましょう。

墓じまい・お墓の引っ越しをして、東京の納骨堂へ改葬できます
手続きは以下のように行ってください。

  • 新たな納骨先を決めて、永代使用許可証または受入証明書を発行してもらう。
  • 現在の墓地所在地の役所から「改葬許可申請書」を入手し、必要事項を記入する。
    申請書は、多くの場合インターネットや郵送での入手可能です。
    必要事項とは概ね『どなたのご遺骨を』『どこに』『どのような理由で改葬したいのか』というものです。
    なお、改葬許可申請書はそれぞれの役所で書式が異なります。
  • 必要事項を記入した改葬許可申請書に、現在の墓地管理者に署名捺印をもらう。
    『確かにこの方のご遺骨はここに納骨されています』ということを、署名いただきます。
  • 署名捺印いただいた「改葬許可申請書」と、発行された「永代使用許可証または受入証明書」を、現在の墓地所在地の役所に提出。
  • 改葬許可証が発行されます。

上記の後、多くの場合は僧侶などの宗教者によって「魂抜き」のお経をあげていただき、お墓からお骨を取り出し、墓石の解体、更地への整備工事を行います。

取り出されたご遺骨は、「洗骨・乾燥」を行う専門業者さんへご依頼いただき、きれいになったご遺骨を新しい納骨堂へ納骨いたします。

全国の改葬件数は年間10万件超。その理由は多様化しています。

お墓の改葬を希望されている方は、増加傾向にあります。
厚生労働省が公開している「衛生行政報告例」の統計データによると、2019年までは年々増加していましたが、2020年の統計では減少しています。これは恐らくコロナ禍によるものと思われます。

とは言え、全国で年間10万件を超える改葬が行われています。
都心の納骨堂にも、多くのご遺骨が改葬されているのです。

以前は「遠くてお参りに行けない」「実家に住んでいる者が全員亡くなってしまった」など、お墓の管理に困って改葬をご希望される方が多かったのですが、最近では「お墓が近くても車がないといけない(運転しなくなった)」「お寺とのお付き合いが大変だから」という理由も増えています。
都心の納骨堂では、檀家になる必要がなく、承継者がいなくなっても永代に渡ってご供養していただける点でお選びいただくことが増えています。
中には、都心の一等地である山手線内に改葬を行うケースもあり、将来の子世代・孫世代に負担をかけたくないというお気持ちで納骨堂への改葬を選択される方も増えています。

自分の一存だけで決めず、家族や墓地管理者への相談も大事。

役所を通した手続きを行うことで、改葬許可自体は下りますが、何よりもご家族やご親族、現在の墓地管理者(寺院や管理事務所)と事前にご相談をなさってください

改葬を行う時の注意点といたしましては、ご家族、ご親族間での同意を得ることが挙げられます。
ご自身の一存で、納骨堂や永代供養墓などの新たな納骨先を決めてしまい、後日ご親戚から反対されたというお話をお伺いすることがございます。

今後数十年、数百年と供養を行うお墓ですので、皆さんの同意を得て、ご家族やご親族が集まりやすく、お参りしやすい場所をお選びください。

また、現在の墓地の管理者(お寺様)とは、事前に改葬したい理由についてご相談されることをおすすめいたします。
皆様があまりお参りに行けないときでも、これまでご先祖をお守りいただいていたことは間違いありません。
電話やメールでお済ませにならず、ぜひ一度お会いになってご事情をお話しされてください。
慌ててお話しなさらずに、元気なうちにまずは相談から持ちかけるのがよろしいでしょう。

今あるお墓を撤去する際の石材店選びも大事

お墓の撤去作業を伴う改葬ですと、その撤去費用も発生します。
新たな納骨先のお申し込み費用と合わせて、石材業者との事前のお打合せも必要となります。
撤去する墓石の処分方法まで含めて、ぜひ信頼のおける石材業者をお選びください。

納骨堂への墓じまいに関するその他の悩み

墓じまいをして東京の納骨堂に改葬するには、いくらかかりますか?

まず墓じまいには、墓石の撤去工事費用が必要になります。相場はおおよそ8万~15万円(墓地面積1㎡あたり)です。
その他、離檀の際に包むお金(寺院墓地にお墓がある場合のみ)、お墓の閉眼供養のお布施なども必要になる場合があります。

また、取り出した遺骨を納骨し直す場所として、お墓の購入費用がかかります。納骨堂であれば40万~100万円程度と考えておくとよいでしょう。
詳しくは、東京都内の墓じまい費用ついて解説した記事をご覧ください。

東京都内で墓じまいをするときの相場は50万円程度!改葬後のおすすめ供養先リストも紹介

改葬とは何ですか?

改葬(かいそう)とは、今あるお墓の遺骨を取り出して、新しい供養先に納骨し直すことです。
遠くにあるお墓を自宅近くに引っ越したり、墓じまいをして永代供養のお墓にしたり、さまざまな理由で改葬は行われます。
詳しくは、改葬の手続き、費用相場、トラブルなどを解説した記事をご覧ください。

改葬とは?費用相場や手順・お墓の引越しにまつわるQ&Aを解説

改葬に必要な手続きについて詳しく教えてください。

改葬をするためには「改葬許可証」の準備が必要です。
新しく納骨を行うお墓、役所、現在の墓地の3か所と連携していきましょう。
詳しい手順を解説した記事をご覧ください。

【簡単5ステップ】改葬許可証を入手する流れ|墓じまいに必須な書類

悠々納骨堂 編集部
納骨堂専門メディア
悠々納骨堂 編集部

納骨堂の選び方だけでなく、納骨堂が人々の生活や未来にどのように寄り添っているのか、リアルな情報を伝えています。

公開日:
2022-08-02
更新日:
2022-07-26

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